文京区千石三丁目に、「猫又橋」という橋そのものは残っていません。残っているのは、橋の袖石、現地の説明板、そして「猫又橋際公衆便所」という少し不思議な名前です。
この小さな橋跡は、妖怪伝承だけを楽しむ場所ではありません。橋の下を流れていた千川は地中へ入り、その上は千川通りになりました。そこへ不忍通りの猫又坂が下り、現在はバスと車が行き交う千石三丁目交差点になっています。
駅徒歩だけで選ぶと失敗します。猫又橋跡周辺は、大通り沿い・一本奥・坂の上・谷底で、交通音、夜道、買い物動線、前面道路、引越し条件がはっきり変わる場所です。

橋は消えた。それでも「猫又橋際」は残っている
袖石と公衆便所の名前が示す橋の位置
猫又橋跡があるのは、千川通りと不忍通りが交わる千石三丁目交差点付近です。現在は川も橋も見えませんが、道路脇には橋の袖石が保存されています。
近くにある文京区の公衆便所の正式名称は「猫又橋際公衆便所」です。住所は文京区千石三丁目13番14号。橋が消えたあとも、公共施設の名称に「橋際」が残りました。
地図だけを見ると、ここは幹線道路が交差する場所にしか見えません。しかし、袖石、公衆便所の名称、坂の下という位置関係を重ねると、かつて川と橋があったことが読み取れます。
千川通りと猫又坂がぶつかる生活上の分岐点
猫又橋跡の前を通る千川通りは、千石、大塚、豊島区方面をつなぐ幹線道路です。不忍通りは交差点から坂を上り、護国寺や目白台方面へ続きます。
つまり、猫又橋跡は歴史上の地点であると同時に、平坦な千川通りを進むか、坂を上るかが分かれる生活上の分岐点です。住所が近くても、交差点のどちら側に住むかで帰宅時の負担は変わります。

| 現在確認できるもの | 部屋探しで読み取れること |
|---|---|
| 猫又橋の袖石 | 現在の道路が、かつての川と橋の上に成立したこと |
| 猫又橋際公衆便所 | 橋が消えたあとも地点名が残っていること |
| 千川通り | バスや買い物に便利な一方、交通音の確認が欠かせないこと |
| 不忍通り・猫又坂 | 坂の上下で帰宅ルートと日常の移動負担が変わること |
千川が地中へ消え、橋が道路に置き換わった
猫又橋の由来は一つではない
猫又橋という名前には複数の由来が伝えられています。現地の説明では、二股に分かれた木の根を使って橋を架けたことから「根子股橋」と呼ばれ、後に猫又橋へ変化したという説があります。
もう一つは、白い獣に追われた僧が川へ落ちたという妖怪伝承です。猫又や狸に結び付けられた物語ですが、確認できる歴史的事実ではありません。由来の伝承と、現在の地形・道路条件は分けて読む必要があります。
洪水対策で千川は暗渠となった
千川は、文京区の谷間を流れていた河川です。周辺では浸水被害が繰り返され、昭和初期に河川改修と暗渠化が進められました。千川が地中へ入ったことで橋は役割を失い、地上には道路が残りました。
現在の千川通りは、単に幅の広い道路として造られたのではありません。川を地中へ収めた上に成立した道路です。街区の形、道路の低まり、坂が谷底へ集まる構造には、川だった時代の地形が残っています。
暗渠になっても低地と坂の向きは消えない
水面が見えなくなると、多くの人は川の存在を意識しなくなります。しかし、地形そのものは消えません。猫又坂や周囲の住宅地から千川通りへ向かって歩くと、道路が谷底側に集まっていることが分かります。
文京区は高台と谷が細かく入り組む街です。千石も一枚岩ではありません。高台側と旧河川に近い低地側では、帰宅時の坂、建物の入口高さ、半地下住戸、雨水の流れ方まで見方を変える必要があります。
文京区の高台と低地の違いは、文京区の高台・低地を比較した記事でも詳しく確認できます。

便利な交差点ほど、物件ごとの差が激しい
鉄道だけでなく都営バスを使える立地
千石三丁目停留所には、都営バスの上58系統と上60系統が停車します。早稲田、上野、大塚方面へ移動できるため、鉄道駅まで歩くことだけを前提にしなければ、生活範囲は広がります。
駅から少し離れた物件でも、バス停に近く、勤務先や学校への路線が合えば便利です。反対に、鉄道しか使わない人が家賃や間取りだけで選ぶと、毎日同じ坂と信号を歩くことになります。
買い物先は帰宅方向に合わせて選ぶ
周辺には、まいばすけっと千石三丁目店、まいばすけっと千石二丁目店、マルエツプチ千石店、ライフ新大塚店などがあります。ただし、店が近くにあることと、毎日使いやすいことは別です。
千石駅側から帰るのか、新大塚側から帰るのか、茗荷谷側から帰るのかで、使いやすい店は変わります。地図上の直線距離ではなく、買い物袋を持って坂を上る方向まで確認してください。

大通り沿いと一本奥では住み心地が別物
周辺の居住口コミでは、一本奥の住宅街の静けさを評価する声がある一方、不忍通り沿いの車の音を指摘する声も見られます。評価が割れるのは当然です。同じ千石三丁目でも、建物が面する道路と窓の向きが違えば、聞こえる音は変わります。
SNSでは個人店や路地の雰囲気がきれいに切り取られます。しかし、夜の人通り、窓を開けたときの車音、宅配車が止まる位置、雨の日の坂は写真から消えます。雰囲気だけで選ぶと後悔します。
| 物件の位置 | 利点 | 内見時に見る点 |
|---|---|---|
| 千川通り・不忍通り沿い | バス、街灯、移動の分かりやすさ | 交通音、排気、窓の向き、信号待ち |
| 幹線道路から一本奥 | 住宅街の静けさ | 夜の暗さ、人通り、路地の道幅 |
| 猫又坂の上側 | 低地から距離を取れる | 毎日の上り坂、自転車、買い物帰り |
| 千川通りに近い低地側 | バス移動と横方向の移動 | 入口の高さ、半地下、排水、ハザード情報 |
駅徒歩ではなく「どちらへ帰るか」を決める
千石駅・新大塚駅・茗荷谷駅で生活動線が変わる
猫又橋跡周辺では、千石駅、新大塚駅、茗荷谷駅を使い分ける選択肢があります。ただし、三つの駅が同じ条件で使えるわけではありません。
千石駅方向は都営三田線、新大塚駅方向は東京メトロ丸ノ内線、茗荷谷駅方向も丸ノ内線ですが、交差点から見た坂の向き、途中の買い物先、夜の道幅が違います。ポータルサイトに表示された最短駅だけで判断してはいけません。
雨の日・自転車・ベビーカーで負担が表に出る
晴れた日の手ぶらの内見では、猫又坂の負担は小さく見えます。雨の日、買い物袋を持った日、子どもを乗せた自転車、ベビーカーでは条件が変わります。
坂の上側に住むなら、電動アシスト自転車の置き場と充電環境まで確認してください。低地側に住むなら、自転車が楽という利点だけで決めず、建物入口と道路との高低差を見ます。
坂のある街で確認する内容は、坂の街・文京区で失敗しない部屋探し、自転車利用については文京区の自転車生活に関する記事も参考になります。
駅徒歩だけで決めようとすると見落とすこと
駅徒歩10分以内なら、千石のどこを選んでも大きく変わらないですよね?
変わります。猫又橋跡周辺は、坂の上か下か、大通り沿いか一本奥かで、毎日の負担と音が別物です。
大通りから一本入れば静かそうなので、それで十分ではありませんか?
静かでも、夜になると人通りが減り、道幅が急に細くなる路地があります。昼間の内見だけで判断してはいけません。
室内がきれいなら、道路は多少狭くても我慢できそうです。
物件前の道幅を見ないまま契約してはいけません。引越しトラックが物件前まで入れず、離れた場所から荷物を運ぶケースは現実にあります。
では、部屋を見る前に周辺を歩くべきですか?
先に帰宅ルート、夜道、坂、前面道路を見ます。そのあと室内で窓を開け、車音と換気のしやすさを確認します。
内見では窓・入口・前面道路を先に見る
窓を閉めた昼間の内見では交通音を判断できない
千川通りや不忍通りに面した物件では、窓を閉めた状態だけで判断しないでください。窓を開け、寝室として使う部屋、バルコニー、換気口の向きを確認します。
平日の昼、夕方の帰宅時間、夜では交通量と街の音が変わります。少なくとも夕方以降にもう一度歩き、信号音、バス、車、救急車の通り方を聞きます。
低地側では1階・半地下・入口の高さを見る
猫又橋跡は、かつての千川と坂が接する場所です。特定の物件を一律に危険と断定することはできませんが、低地側の物件では水害ハザードマップを住所単位で照合してください。
確認するのは浸水想定の色だけではありません。道路からエントランスまでの高低差、地下への階段、機械式駐車場、電気設備、ゴミ置き場、排水口の位置まで見ます。1階でも入口が道路より高い物件と、半地下へ下る物件では条件が違います。
前面道路が狭い物件は搬入経路まで確認する
大通りが近いからといって、物件前まで大型車が入れるとは限りません。一本奥へ入ると、車のすれ違いが難しい道、電柱やガードレールで停車しにくい場所、曲がり角が狭い路地があります。
内見時には、次の項目を現地で確認します。
- 引越しトラックが物件前まで進入・停車できるか
- 宅配車や福祉車両が一時停車できるか
- 消防車や救急車が接近できる道路幅があるか
- 自転車やベビーカーを建物内へ運び込めるか
- 夜間に街灯と人通りが確保されているか
- 雨の日に水が集まりやすい道路形状になっていないか

猫又橋跡周辺が合う人・合わない人
バスと複数の帰宅ルートを使い分けられる人に合う
猫又橋跡周辺は、鉄道駅一つに依存せず、都営バスと複数の駅を使い分けられる人に合います。大通りの利便性と、一本奥の住宅街の静けさを両方使えることも強みです。
- 上野・早稲田・大塚方面へのバス移動を使える人
- 千石駅、新大塚駅、茗荷谷駅を目的に応じて使い分ける人
- 買い物先を帰宅ルートごとに変えられる人
- 高台と低地の違いを理解して物件を選べる人
静けさと平坦さを両方求める人には向かない
交通音を避けて一本奥へ入ると、道幅や夜の人通りを確認する必要があります。坂を避けて低地側を選ぶと、建物入口や防災条件の確認が増えます。
「駅から近い」「静か」「平坦」「買い物が便利」のすべてを同じ物件で満たそうとすると、条件は厳しくなります。何を優先し、何を許容するかを先に決める必要があります。
- 車やバスの音を極力避けたい人
- 坂道を毎日歩きたくない人
- 夜でも人通りの多い道だけを使いたい人
- 大型車が物件前まで入れることを必須とする人
まとめ 橋が消えても、地形と暮らしの差は残っている
猫又橋跡周辺には、千川通りのバス移動、複数駅を使える立地、生活利便施設、一本奥の住宅街という魅力があります。橋の袖石や「猫又橋際」という名称が残り、街の歴史を身近に感じられる場所でもあります。
ただし、橋が消えても低地と坂は消えていません。千川通り沿いの交通音、猫又坂の上り下り、一本奥の夜道、半地下や1階住戸の入口、物件前の道幅は、ポータルサイトの駅徒歩と間取り図だけでは分かりません。
この街は魅力があります。ただし、物件ごとの差もはっきり出ます。住所の枝番、坂の上下、窓の向き、前面道路、搬入経路、夜の帰宅ルートまで確認してから契約する必要があります。
ベステックスでは、室内条件だけでなく、実際の帰宅ルート、夜道、道路幅、引越し車両の進入、買い物動線まで含めて物件を確認します。魅力だけを並べず、住んでから困る条件も隠さずお伝えします。
千石周辺で賃貸物件を探す方は、サクッと探せるベステックスの賃貸サイトをご利用ください。初めて文京区で一人暮らしをする方は、文京区で一人暮らしを始める方へも参考になります。
店舗情報
店舗名:株式会社ベステックス本郷三丁目駅前支店
営業時間:10時〜19時
定休日:水曜日
住所:東京都文京区本郷2-39-3(本郷三丁目駅から徒歩10秒)
- サクッと探せる賃貸サイト:https://www.bestexnet.co.jp/
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